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日本人の国土観

日本人の国土観 地球時代への指針

栢原英郎 著

価格 1,800円(本体価格)+税 
ISBN 978-4-901391-94-8
発売日 2008/11
ページ数 332ページ
版型 四六判 ハードカバー
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概要

「国土」を考えることは日本を再生させること。

精神的にも実態的にも国土離れが進行する日本にあって、もっとも必要とされているのは国土観という理念であり、しかもそれは“海”から見た国土観であると喝破する。
著者は、旧運輸省時代、全総計画策定に参画し、かつ数々の改革を具体化した。このような経験を活かして、本書では、交通学に造詣が深い東大教授の森地茂氏、『ローマ人の物語』で知られる作家の塩野七生氏、新進気鋭の社会学者宮台真司氏との対談を行い、日本にいまもっとも必要とされている「国土観」について、多角的に迫っている。
本書は、間違いなく日本に新たな活力を生み出すきっかけとなるだろう。

栢原英郎(かやはら ひでお)

土木学会会長。北海道大学博士課程卒。運輸省港湾局入省後、国土庁で全国総合計画の創設に携わる。その後、港湾局長を経て退官。現在は社団法人日本港湾協会会長を務めるほか、各種団体の主要なポストを兼務。著書に「築土経国」ほか。

目次

第一部 海から見た国土観

序章
第一章 刷り込まれた国土観
 第一節 明治政府の国土観
 第二節 刷り込まれた国土観の影響
 第三節 日本人の理想郷「ふるさと」
第二章 様々な国土観
 第一節 民族ごとの国土観
 第二節 宗教と国土観
第三章 国土と国土観
 第一節 日本の国土
 第二節 国土という言葉
 第三節 国土をどう見るか
 第四節 国土観のかたち
第四章 国土計画の展開と国土観
 第一節 国民所得倍増計画から生まれた第一次全国総合開発計画
 第二節 明治百年と新全国総合開発計画
 第三節 国土資源の有限性と第三次全国総合開発計画
 第四節 国際化と第四次全国総合開発計画
 第五節 二一世紀の国土のグランドデザインと庭園の島(ガーデンアイランズ)
 第六節 基本単語の出現頻度による国土観の確認
 第七節 全総計画の評価
第五章 国土観から生まれた地域開発モデル
 第一節 地域開発モデルの定義
 第二節 戦後の荒廃からの立ち上がり……資源開発型地域開発モデル
 第三節 高度経済成長を実現した地域開発モデル……企業誘致型地域開発モデル
 第四節 ネットワーク時代の新モデル……交流促進型地域活性化モデル
第六章 海からの国土観
 第一節 海と日本人
 第二節 海を介した結びつき
 第三節 海からの国土観

第二部 国土観を巡る対談

土木技術者の理念と国土計画 対談者:森地 茂
 1 国土計画とは何か
 2 国土観、地域観について
 3 国土計画における開発モデル
 4 国土計画を巡る人々
 5 新しい時代の土木技術者の役割
古代ローマのインフラ哲学から学ぶ 対談者:塩野 七生
 1 ローマ人の生き方・考え方
 2 ローマ人とインフラ
 3 ローマの成り立ちと港
 4 公務員の責務、土木技術者の課題
資料
 古代ローマの街道と港
 古代ローマ帝国におけるユリウス・カエサルと初代から第16代皇帝によるインフラ整備を中心とした業績
日本人の国土離れを食い止めるために 対談者:宮台 真司
 1 なぜ国土離れが進行しているのか
 2 社会変化の影響を受ける国土観
 3 国土観に必要なマインドとフィロソフィ
全ての海路はローマに通ず──小調査旅行顛末記